「本願寺新報」2000年1月10日

仏舎利の奉迎

1999 年11 月29 日 
スリランカ、コロンボのバンダーラナーヤカ国際会議場において

大統領閣下、諸大臣隣席のもと、
スリランカ佛教会長
パンニャーシーハ管長が
現在の住職である
橘堂正弘の学問的貢献を認めて
名誉称号を送り、正覚寺は仏舎利(ぶっしゃり)を奉迎しました。

お釈迦さまのご遺骨のはなし

お釈迦さまはクシナガラという地で、80歳で涅槃(ねはん)に入られ、その地の住民であるマッラ族によって火葬されました。
お釈迦さまの入滅の知らせがインド各地に伝わり、お釈迦さまを慕っていた人々はクシナガラに向かい、遺骨をもらう権利を主張して争いが起こりかけました。
その時、ドーナという賢者が仲裁し、遺骨を8つに分け、各地の人々に与えました。ドーナは遺骨分配に使用した鉢をもらい、遅れてきたピッパリ族には灰を与え、それぞれが各地で塔(ストゥーパ)を建立しました。

遺骨のことを舎利といい、釈尊の遺骨の納められた塔を仏舎利塔とも呼んでいます。

仏舎利にこめられた思い

お釈迦さまのご遺骨である仏舎利は、お釈迦さまがこの地上にお出ましになった証です。

自らをともしびとし 自らをよりどころとして
他をよりどころとしてはならない
法をともしびとし 法をよりどころとして
他をよりどころとしてはならない

死の間際に弟子に示した言葉です。
自分の人生を本当に自分の問題として、責任を持って生きているか。
自分勝手に生きるのではなく、法(真実の教え)をよりどころとしているか。

お釈迦さまを身近に感じ、いつも自分に問いかけ、
仏さまの道を歩ませていただきましょう。